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岸田政権 社会保険料「負担増」のからくり

田中秀明・明治大学公共政策大学院教授
首相官邸に入る岸田文雄首相=2023年11月20日、手塚耕一郎撮影
首相官邸に入る岸田文雄首相=2023年11月20日、手塚耕一郎撮影

 岸田文雄首相は国会で、少子化対策の財源として社会経済の参加者全員が連帯して保険料を通じて公平に負担する、と言いながら、実質的な負担増はないと述べた。詭弁(きべん)と言わざるをえない。

 所得税を減税すると言うが、国民の負担になっているのは保険料だ。政策に一貫性がない。

医療保険料で少子化対策?

 今年初め、岸田首相は「異次元の少子化対策」を宣言したが、財源については先送りしていた。2024年度予算案の編成が本格化したことから、ようやく内容がわかってきた。

 財務省の審議会に提出された資料(財政制度分科会23年11月11日)によると、少子化対策を賄うために、新たに「支援金制度」を設け、その財源として医療保険料を上乗せするなどして活用する。

 ただし、医療保険料の引き上げは国民負担となるので、高齢化などで増える医療・介護費用などを削減し、保険料の引き上げ幅を抑制しつつ、「浮いた」部分を支援金制度に充当するとしている。

 問題は、少子化対策は継続的に行う必要があるので、医療費の増加を今後も継続的に抑制できるかだ。

 しかし、それはすでに難しくなっている。診療報酬の改定を巡り、対立が鮮明になっているからだ。

 財務省はマイナス改定を提案しているが、日本医師会は、物価上昇や医療従事者の賃金引き上げに対応するため大幅増を要求している。医師会は自民党に強い影響力があるため、財務省の言うとおりにはならないだろう。

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明治大学公共政策大学院教授

 1960年生まれ。85年大蔵省(現財務省)入省。オーストラリア国立大学客員研究員、一橋大学経済研究所准教授、内閣府参事官などを経て、2012年より現職。専門は財政・ガバナンス論。著書に「官僚たちの冬 霞が関復活の処方箋」など。