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尻もちで、くしゃみで 寿命を縮める圧迫骨折、40歳以上の5人に1人

福島安紀・医療ライター
 
 

 スーパーで働く春江さん(63歳、仮名)は、半年前、自宅の廊下で足を滑らせ尻もちをついた。そのときは自力で起き上がったものの、歩いたり椅子に座ったり立ち上がったりすると激痛が走り、仕事にも行けなくなった。近所の整形外科へ行ってレントゲン(単純X線撮影)を撮ったところ、「背骨の腰椎(ようつい)という部分の圧迫骨折」と診断されがくぜんとした。

3分の2は無症状

 「圧迫骨折は、背骨の前側の半円形の部分である椎体がつぶれて折れた状態です。春江さんのように骨折した直後に強い痛みが生じる場合もありますが、3分の2くらいの人は無症状です。本人が気づかないうちに椎体がつぶれていたという人は少なくありません」。そう解説するのは、秋田大学医学部付属病院整形外科教授の宮腰尚久さんだ。

 中高年の圧迫骨折の主な原因は、骨粗しょう症になって骨がもろくなり体の重みに耐えられなくなることだ。くしゃみをしたり、重いものを持ち上げたり、体をひねったりしただけでも圧迫骨折が生じることがある。40歳以上の男女約1500人(平均年齢66.8歳)を対象にした調査では、椎体骨折の有病率は21.8%(男性26.3%、女性19.6%)だった。40歳以上の5人に1人に椎体の圧迫骨折が生じている可能性があるということだ。そのリスクは60歳代後半くらいから高まり、加齢とともに発生率が上がる。全体では男性の割合が高いが、歩くときに支障が出るほど重症になるのは女性に多いことが分かっている。

 すでに椎体の圧迫骨折が生じているかどうか心配な人は、セルフチェック法を試してみよう。壁にかかとと背中をつけて真っすぐ立ち、後頭部が壁につかずに隙間(すきま)ができる場合には胸椎の圧迫骨折が生じている可能性が高い。

 もうひとつ目安になるのが身長の変化だ。「25歳のときと比べて4㎝以上身長が低くなった▽閉経後の女性の場合は過去3年間で2㎝身…

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医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。