無料 パチスロ ゲーム

環境エネルギー最前線 フォロー

核のごみ「最終処分せず暫定保管を」専門家が語る理由

川口雅浩・経済プレミア編集長
高レベル放射性廃棄物の入った容器と専用輸送車=青森県六ケ所村で2011年9月15日、松谷譲二撮影
高レベル放射性廃棄物の入った容器と専用輸送車=青森県六ケ所村で2011年9月15日、松谷譲二撮影

地学専門家に聞く「核のごみ」(3)

 「核のごみの最終処分は後世に負の遺産を残すべきでない。『我々の世代の責任で処分すべきだ』という原発推進派の意見も聞く。しかし、安易に処分すれば、危険を次世代に回すことになる。人類的な視野で100年、200年かけて考えるべきだ」

 毎日新聞のインタビューでこう語るのは、新潟大名誉教授(鉱物学)の赤井純治氏だ。赤井氏は北海道教育大名誉教授の岡村聡氏ら地質学、鉱物学、地理学、地下水学など地学専門の27人の有志で「火山国・地震国の日本で10万年の間、核のごみを地下に安全に埋設できる場所を選定することは不可能だ。現在の計画を中止し、開かれた検討機関の設置を求める」とする声明を発表した。

 政府などに送付した声明は「科学的根拠に乏しい最終処分法は廃止し、地上での暫定保管を含む原発政策の見直しを視野に、地層処分ありきの従来の政策を再検討すべきだ」と指摘している。

 「地上での暫定保管」とは、原発から出た使用済み核燃料を再処理した後に残る核のごみ=高レベル放射性廃棄物を、地下300メートルより深い地層に埋めるのではなく、安全を確保したうえで当面、地上で保管することだ。

日本学術会議も提唱

 この考えは、日本の学術界の代表である日本学術会議が2012年に提唱している。同会議は高レベル放射性廃棄物について、将来的に取り出しが可能な状態で数十~数百年間「暫定保管」し、その間に最終処分の方法や場所を決めるよう求めた。原発の再稼働で新たに発生する高レベル放射性廃棄物の総量も管理すべきだと指摘した。

 これは処分地選考が難航する高レベル放射性廃棄物について、内閣府の原子力委員会が日本学術会議に諮問し、同会議が回答したものだ。

 日本学術会議は(1)今の科学技術では10万年単位の地層の安定性を確約できない(2)政府は原子力政策への国民的な合意がないまま処分地選定を先行させた――などと指摘。処分地を…

この記事は有料記事です。

残り948文字(全文1756文字)

経済プレミア編集長

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。