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スルガ銀不正「解除されない金融庁命令」ズルズル5年超え

今沢真・経済プレミア編集部
オンラインで決算記者会見をするスルガ銀行の加藤広亮社長=2023年11月9日
オンラインで決算記者会見をするスルガ銀行の加藤広亮社長=2023年11月9日

業務改善命令から5年(1)

 地銀、スルガ銀行(本店・静岡県沼津市)の不動産をめぐる不正融資問題で、金融庁の業務改善命令が解除されずに5年がたつ。同行の加藤広亮社長は11月9日の決算記者会見で「命令が解除されないことに大きな経営責任を感じている」と述べ、早期解除を目指す考えを示したが、現状では見通しは立っていない。

  スルガ銀行は2018年10月、不正問題で金融庁から業務改善命令を受けた。同行から借金して投資用不動産を購入した個人が返済困難に陥り、多数の不正が見つかったためだ。金融庁は改善命令で「個々の債務者に適切な対応を行う」よう求めた。改善命令の対象は「シェアハウス向け融資」と「その他投資用不動産融資」の二つだ。

 命令を受けたスルガ銀行は、シェアハウスの購入者が結成した「被害者同盟」と交渉。物件を売却して銀行が損失をすべて負担する和解案で20年に合意し、購入者の借金は帳消しになった。ところが「その他投資用不動産」をめぐる不正融資の問題は解決していない。

アパマン問題での交渉は

 「その他投資用不動産融資」とは、中古アパート・マンションを1棟丸ごと投資用に購入した人への融資だ。スルガ銀行はこの件を「アパマン問題」と呼ぶ。シェアハウス問題が和解した翌年、アパマン問題で借金を抱える約400人がシェアハウスの被害者同盟にならい、もう一つの「被害者同盟」を結成した。

 この「被害者同盟」の弁護団と、銀行側との交渉は21年8月に始まり、約40回の協議が行われてきた。具体的な解決策を探る段階にきているが、主張は大きく隔たったままだ。スルガ銀行の加藤社長は11月9日の決算会見で「当社の思惑だけで早くとはなかなかいかない」と述べ、解決への道筋が見えていないことを認めた。

 加藤氏は交渉で銀行側が「三つのステップ」を提示したと説明した。不正の内容や銀行員が関与したかどうかといった3段階をへて銀行が責任を負う割合と解決金を算定するものだ。

「三つのステップ」

 被害者同盟の関係者は、「三つのステップ」は銀行側が責任の範囲と割合をかなり絞り込んだ内容だと反発する。提示案に従うと購入者の多くが銀行の補償の対象外となる。対象になっても算定される解決金は少額で、購入者には多額の借金が残ってしまうという。

 スルガ銀行のアパマン問題の被害者同盟に対する姿勢は、全面解決したシェアハウス問題への対応と一線を画すものだ。仮にアパマン問題をシェアハウスと同様に解決すると、「被害者同盟」以外の融資物件にも影響が出て銀行経営を揺るがしかねないといった事情があるとみられる。

 アパート・マンション向け融資は「被害者同盟」に属する約400人に限らず、シェアハウス向け融資より数がはるかに多い。弁護団には同盟メンバー以外に…

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経済プレミア編集部

1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア創刊編集長。19年から同編集部。22年4月に再び編集長に。同9月から編集部総括。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」など。16~18年度城西大非常勤講師。