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「頑張っていた本屋続けられなかった」 那須の実話、映画のモデルに

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フォーラム那須塩原で先行上映される「本を綴る」の一場面=篠原哲雄さん提供 拡大
フォーラム那須塩原で先行上映される「本を綴る」の一場面=篠原哲雄さん提供

 「本の居場所」をテーマに栃木県那須塩原市が舞台の一つとなったロードムービー「本を綴る」が12月1~7日、同市豊浦の映画館「フォーラム那須塩原」で先行上映される。那須町にかつてあった書店も着想の一つで、物語の一部になっている同市本町の市図書館「みるる」など、なじみの風景がスクリーンに映し出される。来年10月より全国で順次公開される予定だ。【鴨田玲奈】

「居場所」探し京都へ

 映画「月とキャベツ」などで知られる篠原哲雄さんが監督を務め、脚本・プロデュースを千勝一凜さんが担った。書けなくなったベストセラー作家はある日、「みるる」の司書とともに森の中の書店に足を運ぶ。そこで、古書に挟まったかつての持ち主が出せずにいた手紙を見つけ、宛先人に届けるべく京都へ向かう。一期一会の出会いや友人との再会で温かさや厳しさを感じながら、自身が書けなくなった理由と向き合っていくストーリーだ。

 実は本作は、篠原さんと千勝さんが書店の窮状を聞いて製作した作品の第2弾となる。2人は、2022年にYouTubeで配信されたドラマ「本を贈る」(全9話)を手がけた。危機にある書店を軸に書店主らと思いを共有しながら、書店のあり方を探る物語だ。配信後の同年11月、那須町のレストランで上映イベントを開く機会に恵まれた。篠原さんが「本の居場所がなくなりつつある問題をテーマに続編も作れるかな」と検討していたところ、イベントを通じて出会った関係者たちから、那須町の高原地区で唯一あった書店が閉店し、現在は図書館「みるる」が「本の居場所」になっていることを聞いた。

フォーラム那須塩原で先行上映される「本を綴る」のポスター=篠原哲雄さん提供 拡大
フォーラム那須塩原で先行上映される「本を綴る」のポスター=篠原哲雄さん提供

 閉店した書店は「那須ブックセンター」。書店空白地域で継続できるビジネスモデルの構築を目的に17年にオープンし、地元の人たちが支援団体も作って経営を支えていたが、売り上げは伸び悩み、21年に惜しまれながら閉店したという。

 「本の居場所をどう見つけるか」。続編のテーマを模索する中で篠原さんは「那須は物語の始まりの地にぴったりだった」とこの土地で着想を得た手応えを語る。那須ブックセンターについて、「すごく頑張っていた本屋なのに続けることができなかった。その部分は『本を綴る』でもそのままつらい問題として描いた」と映画にも登場する。

 地元の人たちは那須塩原市や近隣で行われた撮影に協力を惜しまず、先行上映が決まると各地にポスターを貼ってくれたという。篠原さんは「協力がものすごくありがたかった。映画を見て、那須という土地の豊かさを感じることができるのでは」と感謝を口にし、続ける。「本は人を傷つけ、人は本に救われる。一見矛盾するこの感覚の先にある小さな奇跡が大きな奇跡を導き出す様を味わってほしい」

 矢柴俊博さんが主演を務め、遠藤久美子さん、宮本真希さんがヒロインを演じる。同市の「まちづくり大使」を務める川岡大次郎さんや、栃木市出身の石川恋さんも出演。子ども食堂のマスター役で那須塩原市の渡辺美知太郎市長も登場する。 先行上映は午前11時45分からと午後6時45分からの一日2回。毎日、1回目の上映後に舞台あいさつを行う。2日のみ午後6時45分の回上映前(午後6時20分)にも実施する予定。

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