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高浜原発全4基稼働再開 複数炉同時被災への備え、想定甘く

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関西電力高浜原発での事故を想定して行われた総合防災訓練=福井県敦賀市で2023年10月21日午前10時54分、高橋隆輔撮影 拡大
関西電力高浜原発での事故を想定して行われた総合防災訓練=福井県敦賀市で2023年10月21日午前10時54分、高橋隆輔撮影

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)は今年1、2号機が相次いで再稼働し、2011年の東京電力福島第1原発事故以前と同じ4基体制に戻った。福島事故では全6基のうち4基で冷却機能喪失による水素爆発などが起き、同時多発的に進行する事態への対応で避難する住民に混乱が生じた。福島事故の教訓は生かされているのか。防災訓練の状況などを取材した。【高橋隆輔】

 11年3月11日の東日本大震災に伴う津波によって、福島第1原発は原子炉の冷却機能を喪失。12日に1号機が水素爆発を起こしたのを皮切りに、14日に3号機、15日に4号機が水素爆発し、被害が拡大し続けた。住民は避難先で再度の避難を求められたり、避難先の放射線量の方が高いことが後に判明したりして、行政不信にもつながった。

 これを受け、原子力規制委員会は13年に策定した原発の新規制基準で、複数炉での同時災害を想定して全電源喪失などの事故時に必要な人員や機材、燃料等が確保されているかを審査項目に含めた。関電は、規制委の新規制基準に従い、複数炉での同時災害などを想定して、常時高浜原発に104人以上の要員を確保。地震による外部電源喪失などが同原発の全4基で発生する想定での訓練も22年まで3年連続で実施している。

 また、住民避難の対策として、内閣府は12年、原子力防災指針を見直し、原発から5キロ圏内(PAZ)を即時避難、30キロ圏内(UPZ)は原則屋内退避と、国際基準並みにまで引き上げた。福井県が13年に改定した地域防災計画はこの指針を踏襲しており、UPZでは県内170地点にあるモニタリングポストなどでの実測値を基に、基準以上に放射線量が上昇した場合は避難を指示するとしている。UPZ内は、放射性物質の降下が落ち着くまでは原則として屋内退避で被ばくを抑え、その後避難を始める。

 ただ、複数基での事故への対応には特別な定めはない。「同一サイト内の原子炉であれば、複数でもPAZやUPZが広がる訳ではない」ことが主な理由だという。今年10月21、22日に開かれた県の防災訓練は、高浜原発の1号機のみで重大事故が発生した想定で、多重事故を想定したものではなかった。

 福島事故のように地震との複合災害を考えると、事故発生時には余震が続いている可能性もある。原発事故がいつ収束するか分からないまま、地震で被害を受けた家屋内にどれだけの住民がとどまり続けるかは未知数だ。

福島前と変化なし

 原発事故の避難計画に詳しい東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)は、「避難の面では、福島事故後も何も変わっておらず、できることの範囲で考えやすい計画を立てているに過ぎない」と批判。「地震などの体感型の災害と、放射線という非体感型の災害が組み合わさると、心理状態や行動様式は複雑になり、避難計画はそれを考慮する必要がある。30キロ圏外でも避難の可能性があることや、風向きに応じた放射性物質の拡散シミュレーションなど、情報も緻密に伝えるべきだ」と指摘した。

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